Actualités - GCC便り
ヴーヴ・クリコ
シャンパーニュの偉人といえば、ペリニヨン修道士とクリコ未亡人。ドン・ペリニヨンが瓶内二次発酵を工程として確立したことは有名だけど、ヴーヴ・クリコって何をした人?
1805年、夫フランソワ・クリコと死別したクリコ未亡人(ヴーヴ・クリコ)は、夫の事業を引き継ぎ大きく発展させる。
増える注文に生産が追いつかず、ブレーキになっている生産工程「ルミュアージュ(澱集め)」を何とかできないかと知恵を絞って考え付いたのが、ルミュアージュ台。板に丸い穴をいくつも開けて、頭を下にして挿した瓶を毎日少しずつ回転させる。今もシャンパン蔵で見ることのできるあの台だ。おかげでルミュアージュの速度は格段に速まった。
ガラス職人たちの力を借りて、瓶内二次発酵と泡の気圧に耐え、しかもエレガントなシャンパーニュの瓶の形状を生み出したのも彼女だ。
赤ワインと白ワインを混ぜて(アッサンブラージュして)ロゼ・シャンパーニュを作ったのも彼女が最初。それまでのロゼは、ニワトコの実を煎じて色を付けていたのだ。
(須藤)
須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。
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