Grand Cru Club

Actualités - GCC便り

Grand Cru Club 試飲会

GCC会では様々なテーマに沿ってワインを試飲しています。

今回のGCC会パリ(別名:ルーミエ会)では格違い、土壌違い、年代違い、飲み頃違いを勉強頂きました。

白ワインではLEFLAVE(ルフレーブ)のバタール・モンラッシェ2000とピュイニー・モンラッシェ1996を目隠し試飲し、熟成感やポテンシャル(格もそのひとつ)を探っていきました。

赤ワインはG.Roumier(ルーミエ)のワイン達。まず、ブルゴーニュ2009の強さを舌に記憶させ、2008年を試飲します。
2009年という年代のワインは非常に力強く、ACブルゴーニュでも2008年の村名ワイン達を凌ぐ凝縮感やタニックを感じます。

シャンボール・ミュジニー2008の試飲後、シャンボール・ミュジニー1erレ・クラ2008とモレ・サンドニ1erクロ・デラ・ブシエール2008を目隠し試飲。
村名シャンボール・ミュジニー2008の味わいの記憶を頼りに、シャンボール・ミュジニー・プルミエクリュを探し出します。 格は違えど、年代、土壌、作り手が同じなため、ワインの向かうベクトルを舌で感じようという勉強です。より明確な違いを見つけられるよう、土壌違いのモレ・サンドニを一緒に試飲してもらいました。

最後に飲み頃を勉強するため、シャンボール・ミュジニー・レザムルーズ2002を試飲します。
「ミュジニーは王様、レザムルーズは妃である」と比喩されますが、まさにこのワインはエレガントそのもの。
以前試飲した時の言葉で恐縮だが、「恋人達の空中散歩」と表現しました。
どっしりと地に着くような強さとは逆に、フワリと宙に浮かんだようなエアリー(アエリアン)な印象、酸と果実味のバランスがエレガントにしてゴージャス。
そして、いつまでもその夢のような世界から醒めない、長い余韻。

しかし、今回のレザムルーズはその10分の1にも満たない印象である。
理由は飲み頃ではないのだ。
保存状態、温度調整、試飲設定、それら全てが完璧であっても、ワインが持つ本来の飲み頃を迎えないと、どんなに有名で高価なワインでも、という辛辣な勉強である。
このレザムルーズは2002年という良好なビンテージということもあり、上記の味わいが発揮されるまで、少なくともあと10年はかかるだろう。

今回のレビューはGCCのアカデミックな試飲テーマと10年後に迎える今月のワインをお送りしました。

(須藤)

須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。

ページTOPへ